お墓参り

お墓参りに数珠は必要なの?【数珠の選び方やマナーを解説】

「お墓参りに数珠は必要なの?」

そんなお悩みにお答えする記事を用意しました。

結論から言うと、必需品というわけではありません。なので持っていかなくても問題ありません。

ただし、もし数珠を持っているならお墓参りに持っていくべきです。

お墓参りの正式なマナーとしては数珠は持参するものとされているからです。

また、法要のときなどのお墓参り以外の場面でも使用するものなので、まだ数珠を持っていないという方は購入しておくと良いでしょう。

そこで今回は、数珠の選び方やマナーについて、また数珠以外のお墓参りの持ち物についても紹介していきます。

 

数珠とは

そもそも数珠とは、弔事に使用する法具で、穴の開いた108個の珠に糸を通して輪っか状になっているものです。

数珠の珠の数は、基本は108個です。

108という数字は人間の煩悩の数とされていて、僧侶が修行の際に念仏を唱える際に、108の煩悩を断ち切るという意味があります。

108個を1つずつ繰って数えながらお経や念仏を唱えてきたことから、念珠(ねんじゅ)とも呼ばれています。

 

お墓参りに数珠は必須ではないけど、持っておいたほうが良い

その数珠ですが、お墓参りに必ずしも持っていかなくても問題ありません。

お墓参りで一番大切なことは、故人を思う気持ちだからです。

数珠がなくともお墓の前で手を合わせることで立派な供養になります。

また、お墓参りのタイミングは人それぞれです。

故人に感謝の気持ちを伝えたい、何か報告をしたいといった時にお墓参りに行かれる方もいるでしょう。

そんなときに、いちいち数珠を取りに帰ってからお墓参りに行くという事はしなくても大丈夫です。

お墓参りには自分の好きなタイミングで行っていいものだからです。

 

数珠は持っておいたほうが良い

これまで葬儀などに参列する機会がなく、数珠を持っていないという方もいるでしょう。

そうした方は、今後のために数珠は持っておいたほうが良いです。

理由は、お盆、お彼岸、法事、葬儀などには数珠は持参するのがマナーとされているからです。

特に法事や葬儀のときにはほとんどの方が数珠を持参しています。

お焼香のときに数珠を持っていないと逆に目立ってしまうかもしれません。

上記のような行事には様々な人が出席します。その中には弔事においてのマナーを気にされる方もいます。

数珠を持つ意味として、仏様への礼儀、故人への供養や敬意を表すという気持ちも込められているからです。

そのため、今度のお墓参りに行かれるタイミングで数珠を購入して準備しておくと良いかもしれません。

 

数珠の選び方【3ステップ】

初めて数珠を買われる方は、どんな数珠を選べばいいか迷ってしまうと思います。

そこでここでは、数珠の選び方について解説します。

以下の3ステップで数珠を選びましょう。

① 数珠の種類を決める

② 大きさを決める

③ 好きな素材や色を選ぶ

順番に解説します。

 

① 数珠の種類を決める

まずは数珠の種類を決めましょう。数珠には以下の2種類あります。

・本式数珠

・略式数珠

それぞれ紹介します。

 

本式数珠とは

宗派ごとに決められている数珠のことを言います。

それぞれの宗派によって形が異なり、主珠、親珠、弟子珠、露珠、浄明珠などの108個の珠によってできています。

本式数珠は正式数珠とも呼ばれて、格式の高い数珠です。

 

略式数珠とは

宗派問わずに使用できる数珠のことを言います。

そのため、自分がどの宗派か分からない、またこだわりのない方は略式数珠を選ぶのをおすすめします。

略式数珠は、手にかけるタイプから指輪や腕輪のようなものもあって色々と選べます。

略式数珠は片手念珠とも呼ばれています。

 

② 大きさを決める

数珠には男性用と女性用とで分かれています。

本式数珠の場合は数珠の寸法が違って、男性用が54cm、女性用が24cmが一般的です。

略式数珠の場合は珠の大きさが違って、男性用が10mm~12mm、女性用が6mm~8mm程度となります。

ちなみに、男女兼用の数珠というのはありません。また男性が女性用の数珠を使用したり、その逆もしかり、使用することはできないので注意しましょう。

 

③ 好きな素材や色を選ぶ

数珠の種類と大きさが決まったら、好きな素材や色を選びます。

数珠の素材や色に関しては特別な決まりはありません。

そのため石の持つ意味などを含めて選ぶと良いでしょう。

以下が数珠に使われる代表的な石の意味になります。

名前 石言葉
水晶 透明 完璧・冷静・神秘的
アメジスト 誠実、心の平安
オニキス 黒・白・緑 魔除け、邪気祓い
ローズクオーツ ピンク 真実の愛
瑪瑙 (めのう) 思いやり

また、菩提樹(ぼだいじゅ)や、縞黒檀(しまこくたん)、黒柿などの木でできた数珠もあります。

木の数珠は使うほどに手になじみ、色の変化もあるのが特徴です。

 

数珠は宗派によって使い方・持ち方が違う

これは本式数珠の話。

本式数珠の使い方や持ち方は、宗派によって異なるのです。

ちなみに略式数珠の場合は宗派は関係ないので一緒です。略式数珠の場合は、数珠を左手に持って、合掌の際には「数珠の輪を左手だけに通す」または「数珠の輪を両手に通す」どちらかの方法で使用します。

本式数珠の宗派による違いについては以下で解説します。

 

天台宗の場合

左手に数珠を二重にして、親珠が上にくるように持ちます。

数珠の房は手の外側に垂らすようにしておきます。

合掌するときには、人差し指と中指の間に数珠を挟みます。中指~小指までが数珠の輪の内側になるようにします。

そして両手の手のひらで数珠を挟む形で合掌をします。

 

真言宗の場合

左手に数珠を二重にして、親珠が上にくるように持ちます。

数珠の房は手のひら側に垂らします。

合掌するときは、数珠の親珠を両手の中指にかけて、両手の手のひらで数珠を挟む形で合掌をします。

 

浄土宗の場合

浄土宗の数珠の場合、数珠が二連になっていて、房のついた金輪が通ってないほうの輪を、左手の親指と人差し指の間に挟みます。

もう一つの輪は人差し指と中指の間に挟んで、両方の輪を握る形で持ちます。

合掌するときには、二連の数珠の親玉の位置をそろえます。そして親珠を人差し指と親指で挟むように両手にかけます。

数珠の房は自分側へ垂らす形にします。

 

臨済宗・曹洞宗の場合

左手に数珠を二重にして持ちます。数珠の房は下にくるようにします。

合掌するときは、左手の親指と人差し指との間に挟み合掌をします。

 

数珠のマナー・やってはいけないこと5選

法事や葬儀の際には、数珠に関するマナーがあります。

知らないうちにマナー違反になっていないか、やってはいけないことについて理解しておきましょう。

 

①数珠の持ち方に気を付ける

数珠は左手に、房が下を向いた状態で持ちます。

お焼香のときには、左手に数珠をかけた状態で右手で焼香をします。

そして合掌のときには、右手を合わせて合掌をします。

本式数珠の持ち方については前述したものを参考にしてください。

 

②離席するときは数珠を置きっぱなしにしない

トイレに行くときなどに離席する際は、数珠を置きっぱなしにしてはいけません。

数珠は厄除けの意味があり、数珠は自分自身そのものと言われているからです。

トイレに行く際はポケットの中にしまって行きましょう。

 

③数珠をポケットに入れたままにする

数珠はお焼香のときだけではなく、葬儀や法事の式中はずっと身につけておきます。

そのためポケットやバッグに締まったままにせず、常に左手にかけておきましょう。

 

④数珠をそのままカバンに入れる

法事・葬儀・お墓参りなどに数珠を持参する場合、数珠をそのままカバンに入れて持ち歩くのは厳禁です。

数珠は大切な法具(仏具)だからです。持ち運ぶ際は数珠袋に入れて大切に扱いましょう。

 

⑤ 数珠の貸し借りをする

他人の数珠を借りる、もしくは貸すのはマナー違反になります。

数珠を忘れた場合には、他人の数珠を借りるのではなく、数珠なしで参列、合掌するようにしましょう。

 

お墓参りのマナーにも気を付けましょう

お墓参りには特別な決まりみたいなものはないのですが、マナーとして気を付けるべきことがあります。

 

① 露出の多い服装は控える

お墓は故人が眠る神聖な場所です。

そのため露出が多い服装はふさわしくありません。

夏場の暑い時期は、タンクトップやノースリーブなどの軽装になりがちですが、一枚羽織れるものがあると良いですね。

 

② 合掌する際は帽子やマスクを外す

合掌するときには、故人への敬意を表すため、帽子やマスクを外すのがマナーです。

お墓掃除やお供え物などをしているときは着けていてもいいですが、合掌するときだけは外すようにしましょう。

 

③ お供え物は持ち帰る

お供え物は必ず持ち帰ってください。

お供え物をそのまま放置すると、動物に荒らされたり、腐って虫が寄ってきたり、お墓が汚れてしまう恐れがあるからです。

また墓地によってはお花も持ち帰らないといけないルールもあったりします。

お寺や霊園のルールに従いましょう。

 

お墓参りの持ち物【チェックリスト】

最後に、お墓参りの持ち物について紹介します。

チェックリストにして忘れないようにしてくださいね。

以下の通りです。

お墓参りの持ち物チェックリスト

  • お線香
  • ライター・マッチ・チャッカマン
  • ロウソク
  • お花
  • お供え物
  • 掃除道具(ホウキ・チリトリ・雑巾・スポンジ・バケツ)
  • 数珠

この中で忘れないようにしてほしいのが掃除道具です。

お墓参りは必ずお墓掃除からスタートするからです。

お墓周りのゴミや落ち葉を拾い、雑草が生えていれば草むしりをして、墓石の汚れは水洗いをします。

お墓は雨風にさらされ汚れやすいので、必ず掃除道具は持参するようにしてくださいね。

 

まとめ

お墓参りの際には、必ずしも数珠は持参しなくても問題ありません。

ただし、葬儀や法事などの場では、ほとんどの人が数珠を持参していますし、それがマナーとされています。

そのため、今数珠を持っていない方は、今後のために数珠を購入して準備しておくことをおすすめします。

数珠の選び方、数珠のマナーについては本記事を参考にしてくださいね。

それでは今回は以上です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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