お墓参り

お彼岸の仏壇へのお供え物は何がいい?いつ供える?マナーや相場を解説

「お彼岸には仏壇に何をお供えするのがいいでしょうか?また、いつお供えすればいいでしょうか?」

そんなお悩みにお答えする記事を用意しました。

この記事を読めば、お彼岸の仏壇へのお供え物で悩むことはなくなりますよ。

お彼岸の定番のお供え物から、お供えするタイミングまで解説していきます。

また、他の家へ訪問する際のお供え物の選び方や相場についても解説するので、合わせて参考にしてください。

 

お彼岸の仏壇へのお供え物は何がいい?

お彼岸の仏壇へのお供え物ですが、自宅の仏壇なのか、それとも贈答品として他の家の仏壇にお供えするかで変わってきます。

ここでは、自宅か贈答品か、それぞれで定番のお供え物について紹介していきます。

 

自宅の仏壇へのお供え物

仏教では、自宅の仏壇には「五供(ごく)」をお供えするのが良いという考えがあります。

五供とは、「香・花・灯明・浄水・飲食」のことで、現代語にすると「お線香・お花・ローソク・お水・食べ物」になります。

お彼岸の期間にも五供をお供えしますが、お彼岸はご先祖様への感謝を伝える期間なので、いつも以上にお供えをするのが通例とされています。

そこで、お彼岸の仏壇へのお供えものは、以下のものをおすすめします。

  • ぼた餅・おはぎ
  • お彼岸団子
  • 季節の果物
  • お花
  • 故人様が好きだったもの
  • 精進料理

 

ぼた餅・おはぎ

お彼岸の定番のお供えと言えば「ぼた餅」と「おはぎ」です。お彼岸の時期には、よくスーパーなどで売られていますね。

尚、春彼岸には「ぼた餅」、秋彼岸には「おはぎ」をお供えします。

呼び名は違いますが、どちらももち米とあんこを使った和菓子で、牡丹(ぼたん)が咲く季節の春には「ぼた餅」、萩(はぎ)の花が咲く秋には「おはぎ」という呼び方をされています。

ちなみに、ぼた餅はこしあんを使って大きめに作る、おはぎは粒あんを使って小ぶりに作る、といったように作り方が少し違ったりします。※地域によって異なる場合があります。

なぜ、ぼた餅・おはぎをお供えするのか?

理由は諸説ありますが、あんこに使われる小豆が厄払いの効果があること、また、昔は砂糖が贅沢品だったため、ご先祖様への感謝を捧げる意味でお供えするようになったと言われています。

 

お彼岸団子

地域によっては、お彼岸団子と呼ばれるお団子をお供えする慣習があります。

お彼岸の初日である彼岸入りには「入り団子」をお供えして、お彼岸の最終日の彼岸明けには「明け団子」をお供えする、といったように呼び名が違います。

地域によってお団子の積み方、数などが違ったりします。

 

季節の果物

季節の果物をお供えするのも定番です。

お供えする際は、「高杯(たかつき)」や「盛器(もりき)」といったお供え用の器にのせてお供えをします。

お彼岸の7日間はお供えするので、リンゴ、メロン、オレンジなど、日持ちする果物がおすすめです。

ちなみに、丸い果物は円の形=「縁」を連想させることから、故人との縁をつなぐ縁起物として良いとされています。

 

お花

お花は、いつも仏壇にお供えしているかもですが、お彼岸の期間にはより盛大にお供えをします。

仏壇の花立が小さい場合には、別で大きめの花立を用意してお花をお供えすると良いでしょう。

通年でおすすめのお花は、菊、ユリです。

菊は邪気を払う意味合いがあり、また長持ちするお花です。

ユリは見た目の上品さからお供えのお花として選ぶ方が多く、白いユリが人気です。

または、季節のお花をお供えするのもおすすめです。

春彼岸には「アイリス」「ストック」「フリージア」など、秋彼岸には「リンドウ」「ケイトウ」「ダリア」「コスモス」などがおすすめです。

 

故人様が好きだったもの

故人様が好きだった食べ物や飲み物をお供えするのも良いとされています。

「高杯(たかつき)」や「盛器(もりき)」といったお供え用の器にのせてお供えしましょう。

ちなみに、肉や魚など「殺生」を連想させるものは選ばないようにします。仏教ではタブーとされているからです。

もし、故人様が肉や魚が好きだった場合には、季節の果物、ぼた餅・おはぎ、または、この後紹介する精進料理をお供えするのが良いかもしれません。

 

精進料理

精進料理とは、肉や魚を使わない料理になります。

具体的には、野菜、穀物、豆類、海藻、果物などを使って作ります。

品数は、ごはん、漬物、汁物に、おかずが1品~3品あるのが基本となります。

精進料理を仏壇にお供えするときは、「御霊供膳(おりょうぐぜん)」と呼ばれるお膳にのせてお供えするのがマナーとされています。

参考
お彼岸の食べ物(メニュー)・お供え物は何が良い?NGな食べ物も紹介

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他の家の仏壇へのお供え物

他の家の仏壇に「贈答品」としてお供えをする、または贈る場合には、以下のものがおすすめです。

  • お線香・ローソク
  • お菓子(菓子折り)
  • お花(フラワーギフト)
  • 現金(香典)

 

お線香・ローソク

仏教の教えでは、「香食(こうじき)」といって「仏様は香りを食べる」と考えられているので、お線香を贈答品としてお供えする、またはお贈りするのが定番となっています。

贈答品のお線香は「進物線香(しんもつせんこう)」と呼ばれていて、綺麗に包装された箱入りタイプのものをお贈りするのが一般的です。また、ローソクとセットになったものもあります。

 

お菓子(菓子折り)

お菓子(菓子折り)も贈答品の定番です。

お煎餅、クッキー、マドレーヌといった、個包装になっていて比較的日持ちするお菓子が人気です。

お彼岸の期間には、よくデパートなどで手土産用の詰め合わせセットが売っているので、そちらで選んでみてもいいでしょう。

 

お花(フラワーギフト)

お花をお贈りするのも定番です。

ただ、生花だと日持ちしない、または置き場所に困るといったことも起こるので、近年ではブリザードフラワーなどの造花を贈る方も多くいらっしゃいます。

 

現金(香典)

品物に添えて、または、品物の代わりに現金(香典)を包んで渡す場合もあります。

ただ、地域や家庭によって考え方が異なるので、現金(香典)を包んで渡したい場合には、家族や周囲の人に確認を取っておきましょう。

実家に帰省する場合も、お供え物を持参するべき?

一般的には必要とされています。

お供え物は故人様への感謝の気持ちの品だからです。

ただ、実家のご家族から必要ないと言われたら従ったほうがいいかもしれません。

 

お供え物の金額相場はどれくらい?

現金(香典)を渡す場合は、いくら包めばいいのでしょうか。

金額は相場は以下のとおりです。

・現金(香典のみ):3000円~5000円

・現金とお供え物を一緒に渡す場合:総額5000円程度

・生前に関わりが深かった人の場合:5000円~10000円

お供え物も一緒に渡す場合には、現金3000円+品物2000円といった感じがいいですね。

あまり金額が高すぎると相手に気を遣わせてしまうことがあるので注意しましょう。

 

初彼岸の場合は?

初彼岸とは、故人様が亡くなって49日が経ってから初めて迎えるお彼岸を言います。

初彼岸の場合でも、通常の相場と変わらない金額で問題です。

ただ、自宅にお坊さんを招いて法要を行うご家族には、10000円~30000円の香典を渡すのがマナーとされています。

 

香典袋の書き方について

現金をお供えとして渡す場合には、香典袋(こうでんぶくろ)に入れて渡すのがマナーです。

香典袋は、黒白、もしくは双銀の水引がついた白無地・または蓮の花が描かれた袋が一般的で、コンビニでも購入できます。

香典袋には、中袋と外包みで分かれていて、それぞれ記入することが異なります。

 

外包みの書き方

外包みの上部中央には、「御仏前」「御沸前」「御供物料」のいずれかを書きます。(市販の香典袋には既に書かれているので必要なし)

※もし、故人様が亡くなって四十九日以内の場合には、「御霊前」を書く、もしくは御霊前と書かれた香典袋を選びましょう。

ちなみに、書く筆の色は、濃い墨の筆ペンで書きましょう。

 

中袋の書き方

中袋には、表面に金額を記入します。

そして、裏面に住所と氏名を記入します。

もし、中袋がない場合は、外包みの裏面に、金額・住所・氏名を記入します。

 

掛け紙 (のし) の書き方

お供えの品物を渡す際には、掛け紙(かけがみ)=のしをかけるのがマナーとされています。

一般的にお祝い事にかける紙を「のし」と呼び、弔事の際は、掛け紙と呼びます。

掛け紙は、白黒か双銀の水引のもので、既に掛け紙にプリントされているものが一般的です。

掛け紙には、上部中央に「御仏前」か「御供」と書きます。

そして、下部には自分の氏名をフルネームで記入します。

ちなみに、お店やネットで購入したときには、掛け紙もセットで用意してくれるところが多いですので、忘れずにお願いしましょう。

 

お供え物をお供えするタイミングは?郵送の場合はいつ送る?

ここからは、お供え物のお供えするタイミングについて解説します。

ちなみに、お供え物については下記のパターンがあります。

・自宅に仏壇にお供えする

・手土産として渡す

・郵送する

それぞれのパターンでお供えするタイミングを解説しますね。

 

自宅の仏壇にお供えする場合

お彼岸の初日(彼岸入り)にお供えして、最終日(彼岸明け)に下げるのが基本で、お彼岸期間中は常にお供え物がある状態にしておきます。

丁寧にお供えする場合には、仏壇の前に供物机(くもつづくえ)を置いて、高杯や盛器などのお供え用のお皿を使いましょう。置けるスペースがない場合は特別用意しなくても大丈夫です。

尚、お供え物を下げた後には家族でいただくのがマナーです。

仏教では、お供え物をいただくことは「おさがり」と言い、仏様への感謝を感じる行為とされています。

そのため、捨てたり粗末にせずに頂きましょう。

 

手土産として渡す場合

お彼岸の期間中ならいつでも問題ないです。

訪問する日を事前に連絡しておきましょう。

もし、お彼岸の期間中に訪問できない場合は、お彼岸よりも前に訪問するのが丁寧です。

尚、お供え物を渡すときは、紙袋から品物だけを出して渡しましょう。渡す際には「御仏前(ごぶつぜん)にお供えください」と一言添えると丁寧です。

 

郵送する場合

お彼岸の期間に訪問できないなどの事情がある場合には、お供え物を郵送しても問題ありません。

郵送する場合は、彼岸入り~中日(4日目)までに相手先に届くように手配しましょう。

尚、郵送する場合には事前に相手先に伝えておきましょう。受取がスムーズにいかない場合もあるからです。

また、お供え物だけ郵送しても失礼にはならないですが、信書便でお手紙を添えるとより丁寧な印象となります。

現金(香典)を添えて郵送する場合は?

日本郵便の「現金書留」を利用してください。

香典袋に必要事項を記入して、それを現金書留用の封筒に入れて送りましょう。

 

お彼岸のお供え物のお返しは必要?

基本的に、お返しは不要です。

お彼岸には法事などを行わずに身内だけで営むことがほとんどだからです。

ただ、今後のお付き合いを考えてお返しをするという方もいます。

基本的にお返しは不要ですが、どうしてもお返しをしたい場合はご家族に相談して決めると良いでしょう。

 

お供えのお返しの品物・金額相場について

お供えのお返しの品物としては、お茶、海苔、お菓子、カタログギフトなどが定番です。

金額については、お供え物の相場が3,000円~5,000円ぐらいなので、お返しは1,000円~2,500円程度に抑えたものが良いとされています。

 

お供えのお返しのタイミング

お供えのお返し品を渡すタイミングですが、以下の2つのタイミングで渡すと良いでしょう。

・あらかじめお返し品を用意しておき、相手方が訪問したときに直接渡す

・お彼岸が明けてから、お礼状と一緒に郵送する

 

お彼岸の期間にまつわるQ&A

最後に、お彼岸の期間にまつわる疑問に答えていきます。

 

そもそも、お彼岸とは?

お彼岸とは、日本独自の仏教行事です。

故人や先祖を供養して感謝を捧げる期間とされています

お彼岸の期間は春と秋の2回あり、故人やご先祖様のいる「あの世」と、我々が生きている「この世」が最も近づく期間と言われています。

そのため、お彼岸の期間には故人への想いが届きやすいということから、お墓参りをしたり、仏壇にお供え物をして手を合わせたりするわけですね

ちなみに、お彼岸には、「この世」から「あの世」へ至るための修行の期間でもあります。

この期間に修行を積めば、煩悩や迷いのある「この世」から、悟りの開けた世界「あの世」へ到達できると考えられてきたからです。

ただ、現代のお彼岸では、お墓参りをしたりお寺で法要を行うのが一般的です。

参考
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お彼岸にも仏壇飾りはしたほうがいい?

基本的に必要ありません。

お彼岸専用の飾りなどはないので、お供え物をするだけで問題ありません。

ただ中には、浄土真宗と日蓮宗以外の宗派では「十三仏」と呼ばれる掛軸を仏壇のまわりに飾る場合があります。

 

お墓にもお供え物を用意するべき?

お墓にもお供え物は必要とされています。

仏壇のお供えと同じ「五供」が基本で、「お線香・ローソク・お花・お水・食べ物」をお供えしましょう。

尚、お墓への食べ物のお供え物は、お参りが終わったら必ず持ち帰りましょう。動物に荒らされたり墓石を汚してしまう可能性があるからです。

 

まとめ

今回は、お彼岸の仏壇へのお供え物について解説しました。

最後にまとめると、お彼岸の仏壇へのお供えものは、以下のものをおすすめします。

  • ぼた餅・おはぎ
  • お彼岸団子
  • 季節の果物
  • お花
  • 故人様が好きだったもの
  • 精進料理

また、他の家へのお供え物は以下のものを持参するといいでしょう。

  • お線香・ローソク
  • お菓子(菓子折り)
  • お花(フラワーギフト)
  • 現金(香典)

上記はお供え物の定番ですので、迷ったら上記のいずれかを選ぶようにしてくださいね。

それでは今回は以上です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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