お墓参り

お墓参りのやり方・手順・マナーを解説【今さら聞けないお墓参りの仕方】

「今度お墓参りに行きます。お墓参りの正しいやり方を教えてください」

そんなお悩みを解決する記事を用意しました。

この記事を読めばお墓参りのやり方や手順が分かりますよ。

今さら聞けないお墓参りの疑問や、お墓参りの際のマナーや注意点についても解説しますので是非参考にしてください。

 

お墓参りのマナーに決まりはない

お墓参りには、正しいやり方やマナーといった決まりはありません。

大切なのは故人を思う気持ちなので、手ぶらで行ってお墓の前で手を合わせるだけでも正しいお墓参りなのです。

とはいえ、お参りに行くお墓は、家族、親戚、友人のお墓など色々あります。

一緒に行く人も違いますし、人と違ったことをしてしまうと注意されてしまうかもしれません。

宗派やその家のお墓の慣習などに違いがありますが、基本的なお墓参りのやり方や手順はほぼ一緒なので覚えておきましょう。

 

そもそもお墓参りって何のためにするの?【お墓参りの意味】

お墓は、ご先祖様や亡くなった故人の供養を行うための場所です。

ご先祖様には自分を生んでくれたことへの感謝、無事に暮らしていることへの感謝を伝えます。

親しい故人には、あの世でも安心して過ごすことができるように祈り、また故人と心の対話をすることがお墓参りをする意味です。

お墓は故人と心のつながりを感じるための心の拠り所なのです。

そうした心の対話をするために、お墓参りの際に供養を行うのがマナーとされています。

 

お墓参り (供養)って何をするの?

仏教においてお墓参りは、五供 (ごくう)をお供えして合掌する (手を合わせる)ことが供養の基本とされています。

五供とは、「香・花・灯燭・浄水・飲食」のことを言います。

お墓参りには以上の5つのものをお供えするのが理想です。

ただし、あくまでも理想です。全部揃わなくても故人への気持ちがこもっていれば問題はありません。※お供えものは宗派によって若干違います。

:お線香を指します。お線香の香りが心と身体を清めるとされています。

:お花をお供えすることで、故人とお参りする人の心を穏やかにする意味があります。

灯燭 (とうしょく):ロウソクを指します。ロウソクの火を灯すことで不浄なものを祓い、周囲を清める意味があります。

浄水:お水をお供えすることでお参りする人の心を清める意味があります。

飲食 (おんじき):自分たちが普段食べているものをお供えします。お墓には故人が好きだったものや季節のものを選ぶと良いでしょう。お供え物はお参りした後に食べることで繋がりを表す意味があります。

 

お墓参りはいつ行けばいいの?【適切な時期】

お墓参りはいつ行っても問題ありません。行ってはいけない日というのがないからです。

1年の中でお墓参りに行く人が多いのが、春のお彼岸、お盆、秋のお彼岸、年末年始、故人の命日、回忌法要の日です。

いつ行けばいいか迷っている方は、上記の時期に行くのが良いでしょう。

あとは、入学、就職、結婚、出産といった人生の節目に、故人への報告をかねてお墓参りする方も多いですね。

 

お墓参りの服装に決まりはあるの?

服装に決まりはありません。普段着で大丈夫です。

ですが、派手な色や柄物の服、露出が多い服装はふさわしくありません。

またサンダルやハイヒールなども歩きづらいため避けたほうがいいです。

お墓参りの際は、落ち着いた色で動きやすい服装でお参りしましょう。

尚、回忌法要のときは礼服や黒のスーツを着用するのが一般的です。

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お墓参りは何を持っていけばいい?【お墓参りの持ち物】

前述しましたが、お墓参りには五供をお供えするのが基本とされています。またお墓参りの際はお墓掃除もします。

そのため以下で紹介するものを持っていきましょう。

 

・お墓の掃除用具

軍手、ぞうきん、バケツ、ゴミ袋

お墓の周りの雑草取り、墓石の水洗い用に持っていきます。

 

・お墓参り用の持ち物

お線香、ロウソク、ライター、お花、お供え物、数珠

他にも、手桶・柄杓が必要ですが、墓地で借りれる場合が多いです。墓地に無い場合のみ用意していきましょう。

 

【お墓参りの手順】基本的なお墓参りの流れ

ここからはお墓参りの手順について解説します。

基本的なお墓参りの流れは下記の通りです。

お墓参りの手順

①本堂にお参りする (寺院墓地の場合)
②お墓掃除をする
③花立の水を替えてお花を供える
④水鉢に水をお供えする
⑤お供え物を置く
⑥ロウソクに火を灯してお線香をお供えする
⑦合掌する
⑧後片付けをして帰る

順番に解説します。

 

①本堂にお参りする (寺院墓地の場合)

寺院墓地の場合、お墓に行く前に本堂へお参りします。住職とお会いしたらご挨拶しましょう。

 

②お墓掃除をする

お墓参りで最初に行うことがお墓掃除です。

お墓周りの雑草取り、落ち葉やゴミ拾いをします。植木があり草木が伸びている場合は剪定しましょう。

そして墓石の水洗いをします。墓石に水をかけて柔らかいスポンジや雑巾・タオルで磨いていきます。

最後に乾拭きをして水を拭き上げてください。

 

③花立の水を替えてお花を供える

掃除が終わったら、花立の水を替えてお花をお供えしましょう。

花立の中も汚れていることが多いので、水でゆすいだり、汚れいたらスポンジなどで擦って洗ってからお花をお供えしてください。

 

④水鉢に水をお供えする

水鉢(お墓の真ん中にあるくぼみ)にキレイなお水を入れてお供えします。水鉢がない場合には湯呑やコップにお水をお供えします。

 

⑤お供え物をする

お供え物をします。

お供え物は直接お墓に置かずに、半紙やハンカチを敷いてその上に置くようにしてください。

 

⑥ロウソクに火を灯してお線香をお供えする

ロウソクに火を灯して、ロウソクの火でお線香をつけます。

お線香に火がついたら手で仰いで消すか、手で振って消してください。※息で吹き消すのは仏教ではタブーとされています。

お線香をお供えする際、複数人いる場合は、故人と近しい人からお供えするようにします。または代表して1人がお線香をお供えして、他の人は合掌するのみというやり方でも大丈夫です。

 

⑦合掌する

お線香をお供えしたら合掌をします。

故人のことを思い心で対話しましょう。

 

⑧後片付けをして帰る

お参りが終わったら後片付けをします。

お参りの際に出たゴミは必ず持ち帰りましょう。

またお供え物も必ず持ち帰ります。そのまま置いておくと動物に荒らされたり虫が湧いてしまう可能性があるからです。

ロウソクの火も消して、お線香も燃え切ったのが確認できてから帰るようにしましょう。

お花に関してはそのままでいいところが多いですが、中には持ち帰りがルールになっている所もあります。墓地や霊園のルールに従ってください。

 

お墓参りの注意点【やってはいけないこと】

ここからはお墓参りの注意点を紹介します。

実は、お墓参りでやってはいけないことがあるので、基本的なお墓参りの手順と一緒に覚えておいてくださいね。

 

騒いだり走り回ったりしない

墓地は神聖な場所です。また公共の場なのでお参りする人も沢山います。

そのため周りに迷惑がかからないようにしましょう。

特に小さいお子さんがいる場合は騒いだり走り回ったりしないように注意してください。

 

火を息で吹き消さない

仏教では人間の吐く息は不浄なものとされています。

そのためロウソクやお線香の火は息で吹き消すことはタブーとされています。

手で仰ぐか、手を振って消すようにしてください。お線香の火がなかなか消えない場合は、お線香を縦に持って縦に手を振ると消えやすいです。

 

お供え物は持ち帰る

お供え物は必ず持ち帰るようにしてください。

そのままにしておくとカラスに荒らされたり、腐って虫が寄ってきてしまいお墓が汚れてしまう可能性があるからです。

周辺のお墓にも迷惑がかかるので、お供え物はその場で食べるか、持ち帰って頂くようにしましょう。

 

お酒やジュースを墓石にかけない

お酒やジュースを墓石にかけないでください。墓石のシミや変色の原因になってしまいます。

また匂いや成分で虫が寄ってきてしまう原因にもなります。

もし、お酒やジュースをお供えしたい場合は、コップなどに移して置くようにしてください。

墓石には水以外かけないようにしましょう。

 

火は消して帰る

ロウソクの火は必ず消して帰ってください。

風で倒れたりして火災の原因になってしまう恐れがあります。

またお線香の火も燃え尽きるまでその場にいます。

どうしても早く帰らなければならないときは、お線香の火を水で消してから帰るようにしましょう。

 

墓地や霊園のルールに従う

その他は、墓地や霊園のルールに従ってください。

お花を持ち帰る、ゴミは必ず持ち帰る、ペットの同行は不可など、その墓地によってルールがあります。

墓地の管理人や他の人の迷惑にならないようルールは必ず守りましょう。

 

宗派によるお墓参りの違いについて

お墓参りの一般的な作法についてはどの宗派もあまり変わりありません。

ただ、細かいところで宗派の違いがあったりします

お線香の本数、お線香を折る・折らない、お線香を立てる・寝かせる、墓石に水をかける・かけないなどです。

またお参りの際に唱える言葉も異なります。

・南無阿弥陀仏(なもあみだぶつ、なむあみだぶつ):浄土宗、浄土真宗、天台宗
・南無釈迦牟尼仏(なむしゃかむにぶつ):曹洞宗、臨済宗
・南無妙法蓮華教(なんみょうほうれんげきょう):日蓮宗
・南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう):真言宗

年配の方だったり、細かい人の場合、そうした作法を細かく言う人も中にはいます。

気になる方は、自分たちのお墓の宗派について、お寺さんや親や親戚などに聞いておくと良いですね。

 

神道、キリスト教のお墓参りの仕方とは?

ここまで仏教のお墓参りについて解説してきましたが、神道やキリスト教の場合はどうなのか見ていきましょう。

 

神道のお墓参り仕方

神道も仏教と同じようにお墓参りをします。

仏教の初盆や新盆、祥月命日、年忌法要に合わせてお墓参りをするのは仏教と同じです。

仏教の場合はお線香をお供えするのに対して、神道ではロウソクを灯して玉串(榊)をお供えします。玉串とは榊に白い和紙をつけたものを言います。

そして、神饌(酒・米・塩・水)と呼ばれるお供え物をします。

上から見たときに三角形になるように、お米は中央、手前の右側にお塩、左にお水をお供えするのが基本形です。

お酒をお供えする場合は、お米の左右にお酒の瓶や徳利を一対置いて、二列になるようにお供えをします。

ただし、その地域や霊園によっては仏教式のお墓参りとの区別が曖昧なこともあり、こちらも親や親戚など、知ってる方に聞いてみると良いでしょう。

 

キリスト教のお墓参りの仕方

キリスト教では、仏教ほどお墓参りを重視していません。

そのためお彼岸やお盆といった時期にお墓参りする習慣がありません。

お墓参りは何かの報告だったり、故人の命日だったりに行うことが多いです。その際も仏教のように仏様を拝むのではなく、故人と神に祈ります。

またお線香やお供え物をする習慣もなく、白いお花をお供えして、ろうそくに火を灯して故人と神に祈りを捧げるのが基本的です。

お供えする白いお花は、小菊、ユリ、カーネーションといったものが選ばれます。

十字の切り方や祈りの手順は宗派による異なるので確認が必要です。

 

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お墓が遠方にある、都合が悪くてどうしてもお墓参りに行けない場合などは、「お墓参り代行」に依頼してみると良いかもしれません。

お墓掃除、お線香、お花などをお供えして、故人に依頼者の伝言を伝えてお墓参りをしてくれます。

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まとめ

今回はお墓参りやり方・手順・マナーについて紹介しました。

基本的なお墓参りの流れをもう一度まとめると下記の通りです。

お墓参りの手順

①本堂にお参りする (寺院墓地の場合)
②お墓掃除をする
③花立の水を替えてお花を供える
④水鉢に水をお供えする
⑤お供え物を置く
⑥ロウソクに火を灯してお線香をお供えする
⑦合掌する
⑧後片付けをして帰る

ぜひ参考にしてください。

とはいえ、お墓参りの正しいやり方やマナーというのは存在しません。

あなたが故人を思ってお墓参りすること自体がとても重要な行為です。

お墓参りの際に必要な持ち物、基本的な流れなどはありますが、考えすぎるとお墓参りに行きたくなくなってしまいます。そこまで考えすぎず気軽に行けるようになると良いですね。

それでは今回は以上です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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