「お墓参りのお花にタブーはあるの?お墓参りに選んではいけない花や、お花を供える際のマナーや注意点が知りたいです」
そんなお悩みを解決する記事を用意しました。
この記事を読めば、お墓参りに選んではいけない花、お墓参りにおすすめの花、またお花の供え方やマナー、注意点が全て分かります!
お墓参り用のお花を買う際の参考にしてくださいね。
お墓参りにタブーとされる花について
まずは、お墓に供えるのは良くないとされる花について紹介します。
下記の通りです。
お墓参りにタブーとされる花
- トゲのある花
- つる性の花
- 死を連想させる花
- 毒がある花
- 香りが強い花
- 花粉が落ちてしまう花
- 食べられる花
- 黒い花
それぞれの花について、良くないとされる理由や花の種類について解説します。
トゲのある花
トゲがある花はケガや死を連想させるため、お墓参りやお供えにはタブーとされています。
トゲのある花の種類は、バラ、アザミ、イラクサなど。
ちなみにイラクサは茂みに生えている植物です。茂みに生えている植物をお墓に供える際はトゲがないか確認してからにしましょう。
※ただし、故人がバラが好きだった場合はその限りではありません。その際は、棘を切り取った状態でお供えすると良いでしょう。
つる性の花
つる性の花は隣のお墓などにツルが巻きついてしまう恐れもあるので、お墓に供えるのは良くないとされています。
つる性の花の種類は、朝顔やクレマチスなどが有名です。
つる性の花は何かに巻き付いて成長するので、お墓に供えるととんでもない方向に成長をしてしまうことも。
周りのお墓に迷惑をかける可能性があるので避けたほうがいいでしょう。
死を連想させる花
死を連想させる花はタブーとされています。
死を連想させる花は椿が有名です。
椿は花の寿命が終わる時に花ごと落ちるのですが、首が落ちることを連想させるため縁起が悪いと言われることがあります。
そのためお墓やお供えには控えたほうがいいでしょう。
毒がある花
毒がある花は死を連想させることからお墓やお供えには良くないとされています。
毒がある花は、彼岸花、スイセン、すずらんなどが有名です。
お墓や仏壇などにお供えするのは控えたほうがいいでしょう。
香りが強い花
香りが強い花は他のお参り人の迷惑になる可能性があるので良くないとされています。
花の香りが強すぎると、その香りが苦手な人もいますし、虫が寄ってきてしまうこともあります。
香りが強い花は、キンモクセイが有名です。
ただ、不特定多数の人が出入りするお墓ではなく、自宅の仏壇などにお供えるする際は問題にならないようです。
花粉が落ちてしまう花
花粉が周りに落ちてしまう花はお墓に供えるのは良くないと言われることも。
花粉で墓石が汚れてしまうからです。
花粉が落ちてしまう花はユリが有名です。
花粉が落ちてしまうと墓石にくっ付いて汚れてしまうのでおすすめしません。
※ただし、故人がユリが好きだった場合はその限りではありません。あらかじめ花粉を取った状態でお供えしましょう。
食べられる花
人が食べられる花や植物はお墓にお供えるのは良くないと言われています。
動物に荒らされることがあるかもしれないからです。
人が食べられる花や植物は、稲穂、麦、粟、オクラの花などがあります。
もともとお墓にお供えする人は少ないかもしれませんが、頭に入れておきましょう。
黒い花
黒い花はお墓にお供えするには向いていません。
お墓参りでお供えする花はできるだけ明るい色が良いとされているからです。
黒い花は、チューリップ、ダリア、バラなどにあったりします。
故人が暗めの色の花が好きだった場合には、黒い花は選ばず、紺や紫といった色を選ぶと良いですね。
ここまで紹介したお花をまとめると下記の通り。
バラ、アザミ、イラクサ、朝顔、クレマチス、椿、彼岸花、スイセン、すずらん、キンモクセイ、ユリ、稲穂、麦、粟、オクラの花。
特別な理由がない限り、上記のお花は避けたほうがいいでしょう。
お墓参りのお供えにおすすめの花
さてここからは、お墓参りのお供えにおすすめの花を紹介していきます。
下記の通りです。
お墓参りのお供えにおすすめの花
- 菊
- ユリ
- 蓮 (ハス)
- カーネーション
- スターチス
- アルストロメリア
- トルコキキョウ
- リンドウ
- ひまわり
- 榊 (サカキ)
- ミソハギ (禊萩)
- コウヤマキ(高野槇)
順番に紹介していきます。
菊
菊はお供えの花として最も有名です。
菊は花持ちが良いので、お手入れをしなかったとしても長く状態を保ち続きます。そのためお墓にお供えするには適しています。
ちなみに菊の花言葉は「高貴」であり、お墓にお供えすることで、故人やご先祖様を尊敬する気持ちを表すことができます。
菊には「マム」という色合いもカラフルな洋菊の種類もあります。
ユリ
ユリは花粉が落ちてしまいお墓にはおすすめしないと先ほど紹介しましたが、ユリは高貴な花であり見た目も華やかなので、実はお墓に供える花としてはおすすめです。
花粉で墓石が汚れないように、お供えする前には花粉を取り除いてからにしましょう。
ちなみに白いユリは聖母マリアを象徴する花とされているため、キリスト教式の献花にも使用されているので、宗教を気にせずお供えできる花です。
蓮 (ハス)
蓮は仏壇の台座としてよく使われる花で、仏教に深い関係があります。
仏典に「蓮華(れんげ)」の名で蓮が登場しているためです。
お寺の池に蓮が育てられていることも多いです。
また蓮の開花時期が7月~8月とお盆にかぶっているので、季節のお花をお供えしたい場合には蓮はおすすめです。
カーネーション
カーネーションは品も良く見た目も華やかです。また花持ちも良いのでお墓参りにはおすすめの花です。
カーネーションは他の花に比べて値段も手ごろなので、お供えの花の挿し色に合わせるのにも選ばれます。
カーネーションと言えば母の日というイメージが強いですが、お墓のお供えにもよく選ばれるお花です。
スターチス
スターチスはドライフラワーにもされることが多い花で、花持ちが良いのでお墓にお供えするにはおすすめです。
スターチスの色は、白、紫、ピンクがありますが、パッと咲く花ではないためどちらかと言うと引き立て役の花です。
そのため主役のお花の色を選んでから、スターチスの色を選ぶのがおすすめです。
アルストロメリア
アルストロメリアは1本の茎の先に何個も花がついていてボリュームがあります。見た目も華やかで花持ちも良いのでお墓参りにはおすすめの花です。
花の色は、白、ピンク、紫などがあります。
トルコキキョウ
トルコキキョウは花持ちが良いためお墓参りや仏花として選ばれることが多いです。
トルコキキョウはどの季節でも手に入るお花ですが、花の旬は6月~8月になります。そのため季節のお花をお供えしたい場合は、お盆の時期のお墓参りにおすすめの花です。
リンドウ
リンドウは美しい青色が印象的なお花で、「正義」や「誠実」といった花言葉があります。
そのため故人の人柄を表すためにお墓にお供えるのも良いでしょう。
ひまわり
ひまわりは明るい黄色が華やかなので、お墓参りの花として人気があります。
大輪のひまわりというよりか、小さなひまわりをアクセントに入れるのが取り扱いしやすいでしょう。
榊 (サカキ)
神式のお墓であれば榊をお供えしましょう。
榊は「神様を捧げる枝」として、神事や神式のお墓では定番とされています。
榊はツバキ科の常緑樹で常に生い茂っているため、年間を通していつでも購入ができます。
ただ寒い地域などでは榊が育ちにくいため、樫(カシ)や松を代用して使う場合もあります。他には、椿や山茶花(サザンカ)を榊と呼ぶ地域もあります。
ミソハギ (禊萩)
ミソハギは祭りの時などに身を清める役割として活用される神聖な植物の一つです。
またミソハギの開花時期が7月~8月でお盆の時期と重なるため、季節の花としてお墓にお供えするのにおすすめです。
コウヤマキ(高野槇)
コウヤマキは日持ちが良い植物で、傷みにくく水も腐りにくいということもあり、お墓や仏壇にお供えするのにおすすめです。
ちなみにコウヤマキは和歌山県の高野山に多く見られる植物のため、コウヤマキ(高野槇)という名前になったそうです。
その由来となった和歌山県の高野山では昔、「禁植有利竹木」という決まりがありました。「禁植有利竹木」は、果樹、花樹、竹、漆などを植えることを禁止していたため、一年中に緑が美しく、自然の良い香りがするコウヤマキが花の代わりにされたそうです。
お花がダメになりやすいお盆の時期のお供えには特におすすめです。
以上の通り、お墓参りにおすすめの花を紹介しましたが、色々とあってどれを選んでいいか分からないという場合は、
・季節感を感じられる花を選ぶ
・故人を思いやったお花を選ぶ
この2つを意識して選んでみてください。
共に過ごすことのできない四季折々を、季節感を感じるお花で共有することで、故人とあなたの心がつながることができるしょう。
また故人が好きだった花や色などを振り返ってみて、その方に最適な花を選ぶのもおすすめです。
お墓参りで供える花のマナーや注意点
お墓参りの花は、種類だけではなく、供える際のマナーや注意点もあります。
まとめると下記の通りです。
お墓参りで供える花のマナーや注意点
- 花の本数は奇数が良い
- 花の色は明るく華やかな色が好まれる
- 花は左右対称に供える
- 目上の人よりも高い花を買わない
- 霊園や墓地のルールに従う
- 造花は相談が必要
- キリスト教では故人が好きだった花を選ぶ
順番に解説していきます。
花の本数は奇数が良い
お墓参りでお供えする花の本数は奇数が一般的です。理由は慶事には奇数が良いとされているからです。
そのため3本、5本、7本がおすすめです。
ただ花立に入れる本数が少ないと安定しませんし、多いと茎が圧迫されて傷みやすいということもあって、花の本数は5本が理想と言えるでしょう。
花の色は明るく華やかな色が好まれる
お墓参りで供える花は明るく華やかな色が好まれます。
お花屋さんで見かける仏花は、3色であれば「白・紫・黄」、4色であれば「白・紫・黄・赤」、5色であれば「白・紫・黄・赤・ピンク」といった組み合わせが多いです。
ただし故人が亡くなってから日が経ってない場合や納骨式には鮮やかな色の花は良くないとされているので、白や紫といった落ち着いた色味の花にしましょう。
花は左右対称に供える
お墓参りで供える花は左右対称に供えましょう。
左右対称は極楽浄土をイメージしていて、バランスが取れて見栄えも良いからです。
お花屋さんで買う場合は同じ花束を2束買うと良いでしょう。
目上の人よりも高い花を買わない
お墓参りに一緒に行く人が自分よりも目上の場合は、目上の人よりも高い花を買わないようにしましょう。
単純に相手の気分を害する可能性があるからです。
霊園や墓地のルールに従う
霊園や墓地によっては、「お供え物は持ち帰る」というルールを定めている所があります。
食べ物の場合が多いですが、中には花なども含まれる場合もあります。
そうした場合はルールに従い、お花は持ち帰りましょう。
持ち帰るタイミングは、お墓参りに来た人全員がお参りが終わってから。お参りが終わったら花立からお花を外して持ち帰ります。
また持ち帰った花は仏壇にはお供えせず、自宅のリビングなどの飾り用にしましょう。
造花は相談が必要
お墓参りでお供えする花は造花でもいいとされる場合があったり、造花は良くないとされる場合があったりします。
造花のメリットは綺麗な状態が保たれて虫などが寄ってこないので、外に活けるお墓の花としては適しています。
ですが、造花は良くないという意見もあります。
造花は手抜きと捉える人がいたり、また仏教の教えに反すると考える人も中にはいるからです。
造花については宗派によっても意見が異なるため、年長者や家族に相談してから決めるようにしましょう。
キリスト教では故人が好きだった花を選ぶ
キリスト教では、お墓参りは故人に敬意を払う行為とされています。
そのため故人に安らぎを与えるという意味を込めて、故人の好きだった花を選ぶことが一般的です。また花の色は白を基調にしてまとめられることが多いです。花束だけではなく、リング型にアレンジされることもあります。
お墓参り用のお花の値段について
お墓参り用のお花は「仏花」と呼ばれていて、何種類かの花を束ねたものでお花屋さんやスーパーなどで売られています。
仏花の値段は1束400円~500円前後です。
お墓にお供えする場合は2束必要なことが多いので、1000円前後かかることになります。
季節の花や種類によって値段は上下しますし、お盆やお彼岸の時期には買う人が多くなることから値段が高くなる傾向にあります。
お墓参りの花の供え方
お墓参りの花の供え方ですが、花を残して帰る場合は花が長持ちするような工夫が必要です。
まずは花立をキレイに掃除して汚れを落としましょう。そうすることで花の持ちも良くなります。
花を活けるときは、葉の部分が水に浸からないようにすること。葉が水に浸かってしまうと腐りやすくなり、茎、花も腐りやすくなってしまうからです。そのため水に浸かる葉は取り除きましょう。
また花立の高さに合わせて茎をカットする場合は、茎をしっかりと水の中に浸した状態でカットすること。そうすることで水を吸い上げやすくなり花が長持ちするからです。そしてカット面は斜めにすること。そうすることで切り口の断面積が広がり水の吸い込みが良くなります。
お墓参りの花を見た目をきれいに供える方法
花立に花を活ける際は、バランスを意識しましょう。
正面から見て逆三角形になるように活けるときれいに見えます。
また、花立の手前は低い丈の花を、後ろにいくほど高い花を活けると立体感が出てきれいに見えます。
お墓にお花がいっぱいだったときの対処法
お盆やお彼岸のときにはお墓参りに行く人が重なり、お墓参りに行くとすでに花立に花がいっぱいの場合があります。
その際は、まずはお水を替えましょう。
そして前の人の活けた花で、枯れかけている花がないか一度確認をします。
もし枯れている花があれば持参した花と差し替えましょう。
ここで大切なことは無理に花を挿そうとしないこと。お花同士が圧迫されて傷んでしまうからです。
そのため自分が持参した花が余ることもあります。その場合には花を持ち帰り、自宅や仏壇に飾りましょう。
ちなみに一度もお墓にお供えしていない花であれば仏壇に飾っても良いとされています。
花を持参しない場合もある
もしお盆やお彼岸の時期で先にお墓に花をお供えしていることが事前に分かってる場合は、花を持参しない場合もあります。
そうした時期には親戚などに連絡を取って、お墓参りに行く日時などを確認すると良いでしょう。
もし霊園や墓地のルールでお供え物は全て持ち帰りなのであれば、先にお墓参りをした人がいたとしてもお花は必要になります。
とはいえ、状況によりお花を準備できない場合もあったりします。その際は「お花がないからお墓参りに行けない」のではなく、お花をどうするかよりもお墓の前で手を合わせる気持ちのほうが大切です。
お花を供えられない場合は「代行業者」へ依頼しましょう
もしお墓が遠くにある場合、高齢による事情や、多忙で時間が取れないなどの理由でお墓参りに花を供えることができない場合は、お墓参り代行業者へ依頼するのが良いでしょう。
お墓参りとお墓の掃除をセットでやってくれて、定期的な依頼も可能なので、自分の希望や予算に合った業者を探してみると良いですね。
まとめ
今回はお墓参りの花のタブーについて、お墓参りの花のマナーや注意点について紹介しました。
お墓参りにタブーとされる花の種類は下記の通りです。
お墓参りにタブーとされる花の種類
バラ、アザミ、イラクサ、朝顔、クレマチス、椿、彼岸花、スイセン、すずらん、キンモクセイ、ユリ、稲穂、麦、粟、オクラの花。
特別な理由がない限り、上記のお花は避けたほうがいいでしょう。
また、記事中にはお墓参りにおすすめの花も紹介しましたが、基本的には故人への思いがこもった花であれば、あなたの考えで決めて良いでしょう。
もし悩んだ場合には、
・季節感を感じられる花を選ぶ
・故人を思いやったお花を選ぶ
この2つを意識して選んでみてください。
それでは今回は以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。